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 LEADER デジタルテスター LDM-853A

カテゴリー デジタルテスター
電源 6V DC または単2乾電池4本
サイズ(幅×高さ×奥行): --×--×-- mm 突起物含む
重量 -.- Kg

掲載している症例と作業

1、ちょっとした振動でLED表示が出なくなる

修理の様子


症状の観察

表示全体が出たり出なかったりする。出ている時でも最下部のセグメントが表示されていない時がある。
レンジを切り替える振動で症状が再現する。
表示されている時の値そのものは異常でない。

サービスポジション

LEDは2階建て基板構造なので接続部が奥の方に入っていてチェックが困難だ。取り外す前の充分な観察による診断が必要。
 

診断

症状から表示部そのものの接触不良が推測される。
内部を確認すると表示部は、子基板にドライブIC、孫基板にLEDセグメントと2階建てになっているのでチェックがしにくい。
指でLEDを基板方向に押さえると症状が出るので、接続しているピンのいずれかで接触不良となっているようだ。

作業方針

2階層の奥にある孫基板までを取り外し、接合部分を点検する。
太い接続ピンなので外すのは大変だが、このままではLED裏面にアクセスできないので取り外すしか手段はない。
ピンの太さとスルーホールの大きさがギリギリでピン数も多いので、ハンダをしっかり除去しないとピンは抜けそうもない。
接続ピンの太さに合わせて、ハンダ吸い取り機の温度を450℃に上げて瞬間的に吸い取る方法でハンダを吸引する。
取り外した後で目視点検をし、接合部分の接触を改善する。

作業

まず2層の子基板を取り外す。右の写真は子基板を除いたメイン基板側のようす。
 

次に孫基板を取り外す。
孫基板と子基板も同じような太いピンで接続されている。右の写真はLEDが載っている孫基板を取り除いた子基板側の様子。
 

孫基板(LED)のパターン面の様子。 右の写真のようにピンの付け根にハンダクラックが確認できる。(右端のほうのピンの付け根)
 

クラックの部分は最も奥に位置する接続ピンの付け根にあるので取りださないと確認できない。
これをハンダ補修する。

元通りに組み立ててエージングする。


レンジを切り替えたりLED部に軽く触れただけでも症状が出ていたが、症状は全く再現しなくなり復旧したことが確認できる。

このような太いピンなどのように放熱しやすい部品はハンダの冷却が早すぎてモロくなり易く、経年劣化が起こりやすい。
これでエージングをして作業完了とした。



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