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 マイクコンプレッサー カツミ MC-902

カテゴリー マイクコンプレッサー
2トーン周波数 600/1500Hz
電源電圧 12V DC 100V AC
サイズ(幅×高さ×奥行): *×*×* mm 突起物含む
重量 *.* Kg

掲載している症例と作業

1、AC電源で動作しない、DCでは動作する。
2、2トーンの片方が発振していない。


整備の様子


症状確認

・AC電源で動作しない、DCでは動作する。
・2トーンの片方(600Hz)が発振していない。


上側の部品配置
上側に見えるのが2トーン発振回路
左下が電源の整流および安定化回路で9Vを出力している。


下側の部品配置
中央部にアンプ部があり基板ソケットで接続されている。左下に見えるのが電源トランス


診断と処置

AC電源で動作しない
まず電源トランスの1次側が断線していたため、保護材をはがしたところ取り出し線との接合部で断線していたのでハンダ処理をやり直して復旧。
ACでの動作が可能になったが残留リップルらしいハム音の混入がひどい。
各部のケミコンを交換するも改善せず、トランスからのリーケージフラックスの影響と判断した。
AC電源の近くに60db近いアンプが有るのだから無理もないと思うが、そもそもこういう構造で残留ノイズの仕様は満足していたのだろうか?
詳しい資料が無いのでスペックが判らないが、要は使用に耐えなければならないのでAC電源をやめてDC電源のみの動作に切り替えた。
DCジャックは付いているが内部からDC用の線を出すことにした。

2トーンの片方が出ていない
発振回路はシンプルなCR発振回路なのでエミッターのバイパスコンデンサーの容量抜けと判断し交換して回復。

残留ノイズが多い
入力ボリュームを絞りきってもホワイトノイズのレベルが下がりきらない。初段増幅のノイズと判断できたので入力ボリュームの位置を変更した。
オリジナル回路ではマイクと初段アンプの間にVRが有るため初段アンプのノイズは出っぱなし状態であった。
VRを初段アンプの後に移動した回路に変更することでVRを絞って使用する通常運用での残留ノイズを軽減させた。
最後に初段アンプのトランジスターをローノイズタイプの2SC1345に交換した。hfeが大きいのでゲインも増えたようだ。

メーター照明の変更
電球から白色LEDに変更したが、メーターパネル自身の色が青いので見た目の変化は少ない。


以上の処置で残留ノイズの低減と2トーン動作等の不具合を解消して完了とした。



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