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 ICF-SW22

カテゴリー ワールドバンドラジオ
受信周波数 AM放送、FM放送、旧TV1〜3ch
SW:7バンド
電波形式 AM FM
電源電圧 3V DC 単三電池2本
サイズ(幅×高さ×奥行): 116.5×72.5×28 mm 突起物含む
重量 203 g

掲載している症例と作業

1、
全く動作しない

修理の様子


症状観察

AMを押すとLEDが点灯するが全く受信しない。
FMとSWは押しても反応しない。電源OFFも反応しない。

サービスポジション

両面パターン基板だが1枚基板であり片面のパターンが全部見えるので追跡は容易だ。
完成した後の写真であるが点検しやすさは伝わるだろう。(多くのジャンパーで修理した様子)


診断

動作しないので開けてみると冠水の後がしっかり有り、基板の腐食も進んでいて結構なダメージがある。
このままでは診断を続行できない。

作業方針

まず腐食しているパターンのレジストを可能な限り全体的に清掃してから電源ONを兼ねているバンドスイッチ回路の修理を行う。
その後に低周波段、FM、AM、SWの順で症状を確認しながら進めることにする。
なぜこの順番かといえば、回路がシンプルで独立しているからであり、回路ごとの切り分けが容易だからだ。
またAMが復旧していればIF以降はSWと共通なので対処する回路が少なくてすむ。

作業

両面基板の全体的な清掃を行うが、清掃というより研磨といった方が近い作業になった。
電源ONを兼ねているバンドスイッチのうちFMとOFFのタクトスイッチが腐食していたので分解清掃をして復旧をした。(ICF-2001のスイッチと同じ補修作業)
作業中に半田ごてを当てていくつかの部品を外したが、何の匂いもしないのでケミコンの液漏れではなく、どこかで水没させた感が強い。

まず低周波段は生きていた。
次にFMは受信できないのでIF回路から追ってスルーホール切れ部分を接続してゆき受信が可能になった。

次にAMだが、RF部からIFのICに接続される経路のスルーホールのハトメ腐食による断線を補修した。
受信できるようになったが感度が悪いようなので簡単にトラッキング調整をしておく。

次にSWだが、全く受信できていない。
7個のXtalを切り替えるクリスタルコンバーター式の回路なので局発と混合あたりを追うが問題ない。
次にAMの感度が悪いこともあり、AGCを確認したところビンゴであった。
ここもパターン切れによってスイッチングダイオードへの電流供給側がHのままで、つまりAGCが効きっぱなしの状態だった。
ジャンパー線による補修で回復。

これで全ての機能が復旧したのでトラッキングを確認して完了。
結果として12本ほどのジャンパー線が這うことになった。


分解と調整の資料








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