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 IC-R7000

カテゴリー ワイドバンドレシーバー
受信周波数 25MHz〜1300MHz
電波形式 AM NFM WFM SSB
電源電圧 100V ACまたは13.8V DC
サイズ(幅×高さ×奥行): 303×127×319 mm 突起物含む
重量 8 Kg

掲載している症例や整備作業

1、放熱対策
2、故障事例
3、HFを受信する

放熱対策


ケース1
この機種は発熱が多く、長時間の運用時に音が出なくなったりする諸症状があると聞いている。
本格的に使用する場合にオリジナルのままでは耐えられないのでヒートシンクと空冷ファンを取り付けた。


 ヒートシンクは適度な大きさの物を使用しレギュレーターTrを外出しした。
 トランス空冷用のファンは騒音防止のため24V用を使用して静かに回している。

 上側の黒い四角がヒートシンク、下側の白丸シールがファン。
 一度リアパネルを取り外して鉄板の加工を行った。
 ファンの穴は振動が伝わり難いように専用の取り付けパッドを入れてある。
 ヒートシンクはリアパネルから5mm程度浮かしたのでビス穴を空けるだけだった。
 Trを外出ししたので内部にあったアルミの放熱板は半分に切り、風流の経路を
 確保して残りの半分でシリコンブリッジの放熱としてある。


この処置により、真夏でも連続通電しっぱなしで問題なく動作をしている。


ケース2
別の個体では発熱そのものを削減できないかを検討した。
レギュレーション的にはIn電圧とOut電圧の差が必要なのだが、その差がすべて熱になるので通常の限界差(2V)に近づけるためのテストをやった。
まず+B供給電圧を13.8Vから12.8Vに下げて9Vと8Vの三端子REGそのものの発熱削減を期待した。
11V程度まで下げたいところだがDC-DCコンバーターの動作点が狂う恐れがあるのと出力電圧が下がる可能性がある。
もしコンバーター出力が下がる場合は全体調整をやりなおす必要がある。

次に電源部の発熱を抑制するため117V仕様に変え整流電圧を19Vから16Vに下げ12.8V出力の設定を再確認した。
この状態で長時間の通電で感じたことは、電源部の放熱をしている後面は当初と比較すると発熱量が下がっているようだ。
全体的な発熱量は5W程度下がるが、どの程度の耐量が得られるか今年の夏場の運転で比較してみる。

故障事例


周波数部表示せず

ケース1
表示コンバーターTrショート:ケミコン全交換、Trを2SC2655にして帰還定数も5.6KΩと0.001に変更。
下図左は表示管用のコンバーター、右図は回路用のコンバーター
帰還定数が異なるがサービスブリテンでは両方とも回路用コンバーターと同じ定数にするよう書いてあったように記憶している。


ケース2
ピン貫通部テンプラ:表示管のフレキをいったん取り外してピン貫通部を再ハンダ補修。




表示コンバーターキー音
コンバータートランス鳴きをローで固定


SSBの音が歪っぽい
SSGからIFの700MHz帯へ入力するとまあまあ良いのだが1StMIXを経由すると近傍ノイズが多くて音質が悪い。
どうやらPLLのジッター成分が歪となり、さらに2逓倍しているので余計に目立っている。
まずはPLL電源ラインのケミコン仕様不足として容量UPして交換、またレギュレータIC(7808)のノイズ特性によるとして交換等の処置で6db程度の改善。


ケミコンはVCOユニットにも載っている。

C6    33μF→ 220μF
C17   33μF→ 220μF
C178 100μF→470μF
C179 100μF→470μF
VCO+Bラインに33Ωを挿入
R37 2.2KΩ→1KΩ
R57 2.2KΩ→1KΩ
MA78M08A → MA78M08





上記のほかに外部電源にすると改善することから調べてみると電源トランスのリーケージフラックスが有り、トランスの向きを90度変えるとさらに10dbほど改善できるので効果が大きい。
しかし現在のトランスではシャーシが狭く向きを変えて取り付けができないためトランスを全シールドタイプに換装する方がよい。


スケルチが閉じない
メータースケルチは動作するがノイズスケルチが動作していない。
スケルチボリュームが原因であり、分解してみると抵抗側ではなく中心側の接点が変色していて接触していないのと同じ状態になっていた。
清掃して組み上げ復旧。



メーター用ランプ

通常は13.5Vで駆動されているので15V用程度の明るすぎないランプがいい。


DIM切り替えではグランド側に4V程度のゲタが入るので9V駆動と同じになる。
一度はLEDに変えたがLEDは電流値を下げても明るさが下がるより広がりが狭くなる感じだったので電球に戻してある。


















バックアップ用電池
ロジックユニットにリチウム電池がある。一般的なBR2032だが末尾に1T2と付く。メーカー資料によるとタブ付きの意味らしいが最近ではタブ付きの物が入手しにくい。どこかのサイトによると暴発事故があって販売自粛になったらしいが最近ではまた売っている店も有るようだ。
電圧が2.9Vだったので2032をソケット式にして交換しておいた。


1200Mhz帯の周波数が合わない

コンバーター局発のXtal(X1)が劣化してL2を調整しても調整目標範囲に入らず共振のC28(資料では22pF)の値を変更した。
実機は18pFがマウントされていたので15pFに下げることで調整範囲に入った。



テンキーの接触不良

最近の修理ではテンキーが接触不良をおこしている個体が増えて?いるように感じる。単純に目立ってきただけかもしれないが。。。
普通の6mm角のタクトスイッチを16個使用するのだが、高さを合わせないと押下した時の感触が悪いので安価な量販品ではそのまま使えない場合もある。
スイッチ本体が基板に当たる部分からボタンの先端までのサイズが約4.8mmの物が合う。





HFを受信する

色々な受信機をシャックに並べると場所が狭くなるので1台で簡単な受信ができるようにしたくなる。
FRG-965で搭載したHFコンバーターをIC-R7000に載せてみた。

回路を検討したところ5Vラインが近くにないのでコンバーターの傍に低消費電力タイプの3端子レギュレーターを併設した。
コンバーターを使用するための切り替えはREMOTEボタンを利用した。
REMOTEボタンは+Bをリモコン使用のポートに供給する動作をしているので、その経路を切り離し、コンバーターに供給するようにした。
信号系はコンバーターのリレーで切り替えることとした。



取り付け場所はRF回路の上においてテスト中。外装との隙間に充分収まるのでここで良いと思う。
信号経路は1200MHzコンバーターを通過してRF基板に入る間に挿入した。
受信状況はFRG-965の時と変わらずAM放送がS9+で受信できている。





調整資料















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