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 Yaesu FT-4600

カテゴリー 2バンドトランシーバー
送信周波数 144MHz帯 430MHz帯
受信周波数 144MHz帯 430MHz帯 その他
電波形式 FM
出力 144MHz帯 10W 430MHz帯 10W
アンテナインピーダンス 50Ω
電源電圧 13.8V DC
消費電流 受信時0.6A DC 送信時 最大3.5A DC
サイズ(幅×高さ×奥行): 140×40×145 mm 突起物含む
重量 0.9 Kg

掲載している症例と作業

1、LCD表示不安定、ランプのLED化

2、430MHz帯の出力がでない
3、電源入るが操作ができない
4、煙が出て電源が入らない
5、145MHz帯の出力が出ない


LCD表示不安定

中身は綺麗で、手を入れた形跡はない。


ターゲットのフロント部分を外してみると、CPU基板とはフレキで接続されている。
このフレキの断線でコントロール出来なくなった事例は何度か修理した。
そのCPU基板にはバックアップ電池があるが、今回は3.1Vだったので交換していない。


フレキを外して周波数設定部をみると受信周波数拡張はされていない。ついでに拡張することにした。


パネルを外すと電球が3個見える。このシリーズの構造はほとんど同じだ。
切れていたのは1個だけであるが3個とも白色LEDに交換した。
電球の足は一般的に細いため取り付けるパターンの穴が小さい。一方でLEDは少し太い四角状の足なのでLEDを挿す事ができない。
そのためLEDの足を丸く細く削ったり、場所によっては0.5mmのドリル刃で基板の穴を広げたりして収めなければならない。
 
照明ランプLED化作業の例
LCDの両側と真ん中の下部に計3個のランプが有る。          LEDに交換した後で33Ωを560Ω〜1KΩに交換(白いのは絶縁チューブ)


ボタンを抑えるスポンジが変質してポロポロになっていたので手持ちの補修用資材を加工して交換しておく。(右の写真)


さて表示がおかしいのはLCDユニットと基板の間で接触が悪いことが原因だ。
これはKenwoodのTH-79と同じようにラバーコネクターで接続されていて、接触不良の場合は取り外して清掃する必要があるのと、圧着力がLCDを基板に付ける金具の爪の曲げ方で決まるので再組み立てをする時に設計どおりに締まっていることを確認して取り付ける。
まずはLCDをいったん取り外して清掃する。


拡大してみたが判るだろうか。上の白いのがLCDで、下が基板だ。
LCDの最下部に幅が1mm以下のコンタクトが並んでいる。もちろんラバーなのでフニャフニャしている。
このLCD部は金属の爪を曲げて固定されるので何度もやり直すことはできない。爪が折れたら再起不能になるので自信がない方は連絡されたし。


再組み立てをしてテスト中。写真だと妙に明るく写るが肉眼だと普通に見えている。周りが暗いせいかも。
周波数の拡張もできている。


ほかに不具合が無いかを確認して完了とした。


430MHz帯で出力がでない

送信すると消費電流は正常に流れるがパワー計は1W程度しか振れない。

受信周波数拡張の時に必要となる800MHzなどの高い周波数専用のアンテナ端子が基板上にマウントされていて、その端子から受信用ANTケーブルを外部に引き出せるようになっている。
追加した受信用ケーブルの固定板のサイズが合わないためにHPFに接触し430MHzの出力波がシャントされていた。
スペーサーを入れて0.5mm程度の間隔を空けることで回復。


電源入るが操作ができない

フロントユニットと接続しているフレキが断線している。
折れ曲がった部分が断線しかかり、接触不良が続き黒くなって最終的に切れている。
4本のジャンパーを別途引いて完了。


煙が出て電源が入らない


煙が出た、その後電源が入らないという症状だ。

まず煙が出たのはコンデンサーの焼損
右側の矢印の位置にあるコンデンサーが焼損している。
電源過電圧印加の可能性が高い。
もし左側矢印のトランジスタが共倒れしていると電源が回復しても表示がメチャクチャになる。


ほかにも問題はある。
ケミコンの破裂だ。


しばらくすると漏れ出た電解液によって写真のようにパターンが腐食する。
パターンが腐食によって消滅している。


裏側からジャンパー接続する方が容易だ。


ところでFT-4600は・・・
下の写真はFT-5800に見えるが、これもFT-4600の機能だから面白い。


こんな表示にもなる。


各部の調整を済ませて外装が汚れているので磨き上げて完了。


145MHz帯の出力が出ない

パワーモジュールが原因の事が多いが、たまにはこんなことも有るようだ。

APCユニット内のパワーコントロールトランジスターの劣化(赤枠のチップ)


これはFMS1というデュアルPNPのチップだ。
交換後に出力を規定に調整して完了とした。



参考までにFT-5100の調整資料を載せる










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