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 YAESU FT-817

カテゴリー ポータブルトランシーバー
送信周波数 1.9MHz帯〜430MHz帯のHamバンド
受信周波数 100KHz〜430MHz帯
電波形式 FM AM SSB CW パケット
出力 最大5W 
アンテナインピーダンス 50Ω 2系統
電源電圧 13.8V DC
DC消費電流 受信時 0.25A 送信時最大 2A
サイズ(幅×高さ×奥行): 135×38×165 mm 突起物含まず
重量 1.17 Kg

掲載している症例と作業

1、送信パワーが出ない


送信パワーが出ない


【症状の観察】
送信パワーが144MHz帯以外はほとんど出ていない。近くでモニターすると僅かに受信できるので周波数変換は出来ているようだ。
受信は全てのバンドで問題ない。受信周波数の拡張は未処置でありオリジナルのままだ。

【サービスポジション】
ケースをはずせば両側に基板があり、接続されている線材は少なく、コネクター式なので基板単体を取り出すのも容易だ。
フロント部もフレキ1本だけで接続されているのでコネクターを外せば容易に分離できる。
これらのことからサービス性は良いと云えるが両面基板の下側を点検するためには少々てこずるようだ。


【診断】
まず送信ドライブからファイナル部の点検を先に行う。各ステージのアイドリング電流を確認したところいずれも正常値であった。
したがって問題は前段ステージすなわちメイン基板側にありそうだ。
ドライブ段の入力をスペアナで確認すると144MHz以外は出ていない。よってバンド切り替え付近の問題だ。
ドライブ〜ファイナルの障害の方が作業がし易いのだが、残念。


【作業方針】
メイン基板をはずし、パターン面に液漏れの影響が及んでいないか目視点検を行う。
異常があれば補修し、不良部品があれば交換する。


【作業】
バッテリーコネクターの近くに腐食が見られる。ここは送信のバンド切り替えなどの電源系をまかなう回路なので原因として充分に考えられる。
Q1088とC1418周辺のパターンが腐食しているため両方の部品を取り外しパターンの損傷度合いを確認した。
幸い部品の下になっているスルーホールまでは及んでいなかったのでQ1088の入力側のリーク程度で済んだようだ。
パターンを綺麗にして再組み立て後、出力をスペアナで確認。全てのバンドで出力されるようになった。
バンドによって出力に差が有るので後でメニューモードの調整を行うこととする。

作業中に63MHz帯の送信ローカルのコイルT1005付近に腐食を発見した。これは送信出力を不安定にする要素が充分であるが、いったん部品を取り外すには細かすぎて作業をやる気がおきないでいる。そうは云っても眺めているだけでは改善しないので暫定的にパターンをクリーニングしたが、何とか本格的に分解して綺麗に治す作業が必要だ。

ついでに受信周波数拡張と3.8MHz帯と7.1MHz帯の送信範囲拡張も行った。
またバッテリーパックが無かったのでニッケル水素で9.6v2200mAhを入手した。ちょうど電池装着部分に収まるサイズなのでコネクター式にして取り付けた。
満充電には内臓のタイマーによる10時間では不足するので2時間ほどの追充電が必要だ。



調整資料














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