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Kenwood TH-55

カテゴリー ハンディートランシーバー
送信周波数 1258MHz〜1300MHz
受信周波数 1258MHz〜1300MHz
電波形式 FM
出力 最大 1W (9V、12V時) 0.8W(7.2V時)
アンテナインピーダンス 50Ω
電源電圧 7.2V DC バッテリーパック
消費電流 最大 1A DC
サイズ(幅×高さ×奥行): 58×157.5×29.5 mm 突起物含む
重量 450 g

掲載している症例と作業

1、バッテリパックの修理


参考資料:基本構成図、構造図、分解図 


回路構成としては非常にシンプルで特記すべきことは見当たらない。


構造的には現代のプラスチック成型による挟み込みとは異なりビス止め箇所が非常に多い。
分解する場合ははずしたビスを入れ違わないように元の位置に戻すような管理が必要だ。

分解するための支援図ではVRを止めているリング状のナット用に特殊工具も推奨されている。
通称「かに目」などと呼ぶ工具と同類だが慣れていればピンセットでも何とかなる。
またフレキシブル基板が使用されていて、古くなるとピキッと切れてしまうことも有るので静かにストレスの掛からない方向へのみ動かすような注意が必要だ。

下図はバックアップ電池の交換作業の例


バッテリパックの修理

ニッカドパック(PB-6)の電池をニッケル水素電池に変えた
オリジナルでは600mAhだが800mAhに変わるため充電回路の変更も必要だ。
このTH-55は充電機能は内蔵されておらず電源を入力するジャックも無く外部の充電器を使用するようになっている。
手元には普通充電用のBC-10が有るので、それを何とかしようと思う。
なおBC-10で充電しながら送受信も可能だが、その負荷が充電器にかかってくるので電源を切っておく方がいい。


BC-10は、充電池の種類によって充電端子が異なり、PB-6の場合は「3」を使用するように電極の配列がされていて、「1」と「2」は無負荷となっている。つまりQ3はR6によってON状態なのでR7は無視して良さそうだ。
充電管理機能は付いていないので満充電の時間を算出しておいて人間が止めなくてはならないが、逆に云えばその時間が変わるだけで充電電流は急速充電の推奨値以下ならいくつにしても構わないわけだ。

単4ニッケル水素電池の急速充電の推奨値は0.5C2.4時間なので、これを上限としたい。
電池を交換した後の充電電流を実測してみると137mAであった。
今の状態は、約0.35Cで中途半端な状態にあり満充電時間は約4時間だ。

一方、BC-10の定格最大電流は120mAなので、ちょっと過負荷になってしまっている。
充電テストをしてみた結果では、発熱量は多いものの壊れるほどでは無いようだが制御をしているトランジスターは放熱板が無いため、かなり熱くなっている。
Q3 2SC3076はIcの最大定格が2Aで、Pcは1Wだ。
ちなみにQ2 2SA1241は2SC3076のコンプリTrで同等のスペックだ。



この状態では電池の空腹時に耐えられない可能性もあるので、過負荷の状態を避けて0.1Cの80mAまで下げるかどうか、どうやって下げるかなど充電電流に対する検討をしよう。
いまさらPB-6をニッカドのまま充電することは無いだろうし、他の充電電池パックも所有していないから「出力3」の電流だけを変えてしまえば良さそうだ。
ということはR5(33Ω)を少し大きくして電流を制限する方法で済むのではないか。
BC-10の定格容量が120mAならば、充電電流100mAで充電時間12時間にすれば面倒な計算もいらないのでいいかもしれない。

しかしこの充電器は平滑をしないで脈流のまま扱っているので測定しにくいな・・・
R5の33Ωを45Ωにすれば充電電流が100mAになる計算だが脈流のままで想定どおりになるのか、やってみるしかないか。。
丁度いい抵抗が無かったので、とりあえず33Ωに8.2Ωを追加して125mAまで下げておいた。




調整資料





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