KENWOOD TM-941
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カテゴリー |
UHFトランシーバー |
送信周波数 |
144MHz帯 430MHz帯 1200MHz帯 |
受信周波数 |
144MHz帯 430MHz帯 1200MHz帯 |
電波形式 |
FM |
出力 |
10W |
アンテナインピーダンス |
50Ω |
電源電圧 |
13.8V DC |
消費電流 |
最大6A DC |
サイズ(幅×高さ×奥行): |
150×50×175 mm 突起物含まず |
重量 |
1.9 Kg |
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掲載している症例と作業
1、内臓スピーカーの音が出ない
内臓スピーカーの音が出ない
確認症状
内臓スピーカーからの音が極めて小さく歪んでいる。バンドユニットごとのスピーカー端子からは正常に出ている。
構造確認
この機種は低周波出力増幅回路が4個あり、3個のバンドごとの出力と1個の統合出力になっていて、その統合出力が内臓スピーカーになっている。
動作概要
各バンドの低周波出力からIC106のアナログスイッチを経由して、赤矢印の経路で混合されてIC103に入力されている。
IC103は帰還抵抗10KΩで軽くアンプされてスピーカー用アンプへと出てゆく。
IC104とIC105はスピーカーアンプが2ユニットづつ含まれていて、内臓スピーカー用の統合アンプはIC105の片側を使用している。
今回の障害はIC103のDC中点がVCCレベルに張り付いているために増幅もされずカットオフに近い状態になったことによる。
このIC103は増幅が目的というよりもDC的な中点を作り出して、低周波信号の中心がVCCの1/2になるようバイアスされている。
入力側も出力側もコンデンサーによってDCカットされているので、このICを取り外しても大きな問題にはならず出力音声も出るようになる。
もしかしたら電源のON/OFF時にVCCの変動でスピーカー出力にボツという音が出るのを軽減するか、3ユニットの低周波出力のバランスをとるつもりかもしれない。
IC103の交換
2ユニット内臓のOPアンプなので形状が合えば何でも使用できると思う。
今回はわずかに大きい4558を使用している。
このIC103を交換することで内臓スピーカーからの出力が復旧した。