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Kenwood TS-450S
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フィルター切り替えが利かない
フィルターの切り替えがおかしくなった。 表示は切り替わっては居るがまったく効果が出ていないため、SSBのサイドが切れなかったりCWでもFSKのような広帯域受信の音がする。 シリアル変換のIC3から調べてみた。 フィルターの切り替えに従って出力は正しく切り替わっているようだが、11PだけOFFすべきフィルターのコントロール電圧が低い。 正常ならば7V程度のはずが4Vくらいしか出ていない。 IC3の+Bは5Vで動作しているので、3ステートで信号ラインに乗っている8VがOFF時にはIC3に届いて7Vが正常値なのだろう。 では、どこで4Vまで下がっているのか液漏れ周辺のパターンを点検することにした。 関係しそうな部分の部品を一気にはずして表面のクリーニングと進んでしまった腐食が有れば、それも手当てをする。 右端の黒いコネクターもあやしいので外してみると、やはり・・・ それとコネクターCN13のセンターピンの右横に有るスルーホールが切れているのが見えるだろうか。今回の症状とは関係ないがパターンをクリーニングした時にスルーホールの穴を縁取るランドが腐食して無くなっていることが判明。これは細い銅線で裏表をつないでおいた。 クリーニングして綺麗になった。 この程度までやっておけば当分は元気に動いてくれるだろう。 さてと、問題の4Vしか無い経路はFMフィルターの切り替えだ。広帯域受信に聞こえるということはFMのフィルターが停止できていないため、狭帯域のフィルターと並列に広帯域のフィルターが動作してしまっているようだ。 各部のフィルター切り替え電圧を当たってみると、R9の出口で7V有るはずの電圧が4Vに落ちていてCF1を停止するためのダイオードSW(D3、D4)がOFFできていない。 セラフィルは絶縁されているはずなのでフィルターを外して確認してみると60KΩ程度にリークして切り替え電圧を吸い込んでいることが判明した。 もしかしたら液漏れした成分が時間をかけて封入されたセラミック部分まで浸透していたのかもしれないので、ピンの付け根とモールド部分を綺麗にしたところ120KΩくらいまで回復した。これ以上はしかたないので、リークしている出力側ラインのパターンを切って0.01μFでDCをカットすることにした。 (下図のX印に0.01μFを挿入した) この処置で症状は回復し帯域制限も利いている。いずれ同じセラフィルが入手できれば交換するが症状の進行は無いと思うので、これで組み立てておく。 各部の部品を戻して終了。 |
表示色が黄ばんでいる
調整資料
ページ数が多いので省略