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 Kenwood TS-770

カテゴリー UVトランシーバー
送信周波数 144MHz帯、430MHz帯のHamバンド
受信周波数 144MHz帯、430MHz帯のHamバンド
電波形式 FM SSB CW
出力 最大10W 
アンテナインピーダンス 50Ω
電源電圧 100V ACまたは13.8V DC
DC消費電流 受信時 0.7A 送信時最大 4A
サイズ(幅×高さ×奥行): 305×140×380 mm 突起物含む
重量 11.0 Kg

掲載している症例と作業

1、430MHz帯の受信感度、送信出力とも不調
2、430MHz帯SSB送信音が歪む
3、レピーター用トーン組み込み
4、SSB受信音が歪む


430MHz帯の受信感度、送信出力とも不調


430MHz帯では受信感度、送信出力とも悪化している。144MHz帯ではそうでもない。
有名な2SC460が多用されているが、まずは調整ズレを解消してみる。

430MHz帯の送信側はセラミックトリマーを再調整することで定格の11W程度まで回復した。
この製品は適切に整備調整をすれば簡単に18W程度まで出力することが出来るが最終的に12W程度に設定しておくことにした。
一方、受信感度の悪化はRF基板への入力となる小型同軸コネクターのアース側で同軸とコネクターの接触部分が抜けていたのが原因。
ファイナル部分のトリマーは両バンドとも小型のエアバリコンを使用しているので経年変化は少ない。

ついでにメーター照明ランプが1個切れていたので3個とも電球色LEDに変更しておいた。
また前面パネルを取り外し洗浄したところキズもなく綺麗になった。
ここまでの点検でほぼ実用範囲になったので2SC460の交換はやっていなかったが、時間ができたタイミングで全部交換しておいた。
ついでにPLLとAFのケミコンを全部交換して各部の調整をやりなおした。

430MHz帯SSB送信音が歪む


430MHz帯のSSB送信音が歪む症状を発見した。(典型的なクロスオーバー歪み)
ドライブ段からファイナル部への信号経路を外し、モニターしてみると歪んでいないのでファイナル部のアイドリング不足と判断。
ファイナル部の各段のアイドリングを測定するとファイナル段だけが流れていないことが判明。
アイドリング調整VR(VR1)の付け根が接触不良であることが判ったので復活剤を使用して所定のアイドリング電流に設定した。


レピーター用トーン組み込み


点検ついでにレピーター用の88.5のトーン発振器を組み込んだ。
5MHZシフトはLHの切り替え回路を組むのが面倒なのでAB_VFO切り替え方式で動作することを確認して終わりにした。
国内モデルでも海外版と同じようにマイクアンプの入力部にトーン入力用の抵抗がマウントされていたので、それを利用して注入した。
なおトーンの起動は下図のようにFM8VとNBスイッチによる接続としSSB時にNBをONしてもトーンが混入しないようにした。
NBスイッチはダイオードを経由したGNDアクティブなので下図のようなスイッチ回路を追加してNB回路に影響しないようにした。
ほとんど使用することは無いと思うので、とりあえず使える状態にした。

SSB受信音が歪む


SSBの受信音が歪っぽいので点検した。
検波のバランスが悪くなっていて2次歪が目立っていたのでシングルトーンを受信しながらFFTの2倍音が最小になるように調整して落ち着いた。




調整資料

ページ数が多いので省略


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